美容室経営コストの中でも多くを占める人件費の適切な割合とは

美容室を経営する上で人件費は欠かせません。
仮に、スタッフ兼オーナーといったスタイルの小さな美容室だったとしても人件費は発生します。
どんな業種であろうともよく言われるのが、「人件費が一番高い」。
コストの中でももっとも大きな数字が人件費だということですね。
では、人件費はどれくらいかかるものなのか?
かかり過ぎてもだめですが、かからな過ぎても問題が起こる人件費について、まとめます。

 

 

 

美容室経営における適切な人件費の割合とはどれくらいなのか

美容室経営にはコストがかかります。
美容室の経営のみならず、何かを経営するとなったらコストがかかるのですが、コストがあまりかからない業種も中にはあります。
美容室はというと、コストがかかるほうです。
家賃や光熱費や薬剤等の消耗品といった固定費すなわち毎月必ず出ていくお金があるからです。
そして、美容室は美容師が働く場であり、美容師は人材ですから、人件費は絶対に発生します。

では、美容室経営のコストで人件費はどれくらいの割合を占めているのでしょうか?

ざっくりとした数字で言うと、30パーセントから50パーセントです。
もう少し細かく言うと、多くても45パーセント。
コストの半分近くを占めていることになります。

半分以上、もしくは、それ以上を占めているなら、人件費がかかり過ぎています。
とはいえ、いかにコストを抑えることが必要だとしても人件費を削ればいいというわけではありません。

これがスタッフ兼オーナー1人の人件費であれば、30パーセントに抑えるというような調整も可能でしょう。
しかし、経営者以外のスタッフの人件費を削ることは得策ではありません。

 

 

 

美容室経営において人件費をかけな過ぎるとどうなるのか

美容室の経営に限らず経営というものはコストがかかりますが、コストがかかるがゆえに削れるところは削らなければなりません。

人件費も、無駄に高くなっているなら削らなければならないのですが。
あくまでも、無駄があるならの話です。

人件費を削るためにお給料を下げたら?
突然ではなく事前告知があったとしても、スタッフに不満が出ます。
美容室は今やコンビニよりも多いと言われている時代ですから、他の店に移ろうという気持ちにさせてしまいます。
優秀な人材やせっかく育てた人材が流出することに繋がります。

そうして抜けた穴を埋めるべく、スタッフの募集をかけたとします。
なかなか応募がなくて、残りのスタッフで予約をまわさなければならない、あるいは、スタッフを兼ねているオーナーが休みを返上してでも働き続けることになるというケース。
応募があって採用したものの、以前に働いてくれていたスタッフよりも勤務態度やお客様の評判が良くないというケース。
忙し過ぎて休みが取れないこともまたスタッフの不満となりますし、そうならないようにスタッフ兼オーナーが出ずっぱりになれば体調をくずすこともありえます。

さらに、忙し過ぎることでお客様ひとりひとりに対する接客がおざなりになることや、スタッフの質が低下することが懸念されます。
そうなれば、お客様が離れてしまい、売上は落ちます。
コストを削ったとしても売上まで削れてしまうのではコストを削る意味がありません。

いずれにしても、適切ではないほどに人件費が高くなっているならともかく、適切な人件費を無理矢理に削るとしっぺ返しを喰らうということです。

 

 

 

美容室経営において人件費がかかり過ぎるとどうなるのか

美容室経営のコストで人件費が占めている割合が多いからといってむやみに削ると、人材の流出やスタッフ及び接客の質の低下が懸念されるばかりでなく、お客様が離れてしまうリスクすらあります。
じゃあ人件費を増やしたら何の問題もないのかというと、問題なくはないです。

働きに見合ったお給料が得られるのであれば、スタッフのやる気に繋がります。
仮に1からスタッフを募集するとしても応募が多くなり、良い人材を獲得しやすくなります。
人件費を削らないメリットはそこです。
優秀な人材がやる気を出してくれれば、お客様が増えて売上も増える可能性が高くなります。

しかしながら、人件費をかけ過ぎてしまうと、毎月毎月人材費にひっ迫されることになります。

美容室経営にはただでさえコストがかかります。
家賃など大きなコストもあります。
電気と水道を必ず使うので光熱費も大きいです。
しかも、薬剤のような消耗品も毎月あります。
人材費のかけ過ぎはそれすなわちトータルコストが増えることであり、収入があっても支出が大きければ順調な経営とは言えません。

あとは、スタッフ兼オーナーで人件費が高くなっても構わないというケースもあるのでしょうが、経営に関するお金と個人が好きに使っていいお金は切り離して考えるべきです。

 

 

 

まとめ

美容室経営において人件費は大きいがかといって削ればいいわけではない

美容室経営は低コストとは言い難く、いかにコストを削るかに頭を悩ませている経営者も多いはずです。
中でも、人件費はコストの半分近くを占めています。
だからといって人件費を削ってしまうと、

スタッフに不満が出る

優秀な人材や育てた人材が流出

その穴を埋めるために他のスタッフやオーナー兼スタッフが休むこともままならなくなる

接客の質が下がりやすくなり、お客様が離れてしまう

このように、人件費を削ってコストを抑えたと思ったら売上まで削れてしまったという結果になりかねません。
無駄なコストは削るべきですが、無駄ではないものを無理矢理削っても良い結果にはならないということです。

美容室経営のコストにおける人材費の割合は45パーセント程度だと言われているので、その数字を大幅に超えないよう、かつ、削らないようにしてみてください。