美容室経営の失敗あるあるは開業前にこそある

美容室経営を失敗しないためには、美容室経営においておちいりがちな失敗を回避しなければなりません。
そこにあるとわかっている落とし穴に落ちる人間はいない、と思いますよね。
しかし、落ちるつもりはなかったのにいつのまにか落ちてしまっている、それが失敗というものです。
そして、美容室経営を失敗してしまう人は少数ではなく、その証拠に、新規開店した美容室の9割が3年以内に閉店しているというデータがあります。
すでに美容室を経営している人も、これから美容室経営を考えている人も、今一度美容室経営における失敗についてしっかりと考えてみてください。

 

 

 

美容室経営における最初の失敗は開業前に始まっている

失敗は成功のもとという有名な言葉があるように、失敗しても挽回すればいい。
とはいえ、できることなら失敗したくないのが本音ですし、挽回し切れなかったらどうするんだという話になります。

美容室経営においてまず念頭に置かなければならないのが、美容師は髪のプロであっても経営のプロではないという点です。

美容師として素晴らしい腕を持っている人が経営者としての手腕も優れているとは限らないということ。
美容師の資格を取得する際にそのための技術を学んでいても、経営者になるための勉強はしていないのですから、当然です。

美容師として雇われている際に経営に口を出せる立場だったとしても、口を出すだけなのと自分一人で経営に関するすべてを背負うのとはまったく違います。
経営者としては素人だという点に関して深く考えずになんとかなるさと軽く考えてしまうと、美容室経営を始める前から失敗という名の落とし穴に片足を突っ込んでしまっていると言っても過言ではありません。

美容室経営を始める前から大きく口を開けている失敗という名の落とし穴は他にもあります。
家賃と宣伝不足です。

家賃というコストは毎月必ずや発生します。
削れないコストです。
それこそ、「ちょっと高いけどまあなんとかなるさ」などと軽く考えてしまうと、必ずや痛い目を見ます。
経営していく上である程度のコストはしかたないとはいっても削れるところは削っていかなければなりませんし、削れないコストを支払っていくことができなければ美容室経営は早々に頓挫します。

宣伝不足については、美容室経営を始める前のみならず始めたあとでも“あるある”の失敗です。
はっきり言ってしまえば、開業後の宣伝では遅過ぎます。
開業直前でも遅く、少なくとも、開店する1か月前からしっかりと宣伝するべきです。
あとは、いざ経営し始めたあとに宣伝したくても宣伝費用が残っていないというパターンも“あるある”です。

 

 

 

美容室経営は技術力があったら失敗しないわけではない

美容師としてトップクラスの技術を持っていたとします。
美容院ではなく美容師個人をお客様が気に入ってくれている場合、今までのお店ではなく独立開業したほうの美容室にそのお客様が流れてくれる可能性は高いです。
が!

美容師個人をお客様が気に入ってくれているとしても、開業した美容室の立地や価格や店舗の様子や他のスタッフといったその他のことまで気に入っていただけるとは限りません。
リピーターになっていただけるとも限りません。
常連だったとしてもそのお客様と何らかの契約を交わすわけではないのですから、絶対に通ってもらえる保証などどこにもありません。

「に入っている美容師さんが独立して辞めてしまう際、「じゃあ、他の人を指名しよう」と、店舗を変えないことを選択するお客様もいらっしゃいます。
それ以前に、自分の技術を過信していて、指名が多いから独立しても大丈夫だと思っていたら独立前のお客様に来てもらえなかったというパターンもなくはないです。

技術力がなかったらお客様は離れてしまいます。
けれど、技術力だけで美容室経営が上手くいくわけではないのです。

 

 

 

美容室経営における失敗は想定の甘さによるものが多い

美容室経営における失敗は、経営を始める前から失敗してしまっているパターンが多いです。
それは何も、家賃というコストのひっ迫や宣伝不足だけではありません。
実のところ、開業前から失敗してしまっていることが美容室経営には多いのです。

なぜ、開業前から失敗してしまうのか?
ひとえに、想定の甘さが原因です。

想定の甘さはお金の面で発揮されがちです。
黒字スタートを切れれば万々歳ですが、赤字スタートを視野に入れておかないとつまずきやすくなります。

開業するからには開業資金を用意しますよね。
その資金は開業準備で使い切っていいお金でしょうか?

よくあるのが、内装にお金をかけ過ぎてしまうケース。
内装にお金をかけな過ぎるのも問題ですが、こだわり過ぎるのも問題です。
内装にお金をかけ過ぎると、人件費や宣伝費が足りなくなることが予想されます。

少なくとも、半年くらい赤字でも大丈夫なほどの資金の余裕は必要だと思ってください。
すなわち、開業資金で手持ち金を使い切ってしまっては、経営は立ち行かなくなるということ。

手持ち金を使い切ったとしても毎月収入があればなんとかなる?
いいえ、毎月収入があったとしても支出がありますし、毎月毎月大幅黒字とは限りません。
開業資金は開業準備のみに費やし、イレギュラーな事態、例えば直近で言えば新型コロナウイルスのような客足が減ってしまう状況に備えて、経営資金はプールしておきましょう。

 

 

 

まとめ

美容室経営は始める前から失敗していることが多いと肝に銘じる

美容室経営は始めたあとよりも始める前にもう失敗してしまっていることが多い。
なぜなら、美容師は経営のプロではないから。
独立を考えている美容師はあたりまえですがプロの美容師ですよね。
でも、美容師としてはプロでも経営者としてはプロではなく、美容師としてセンスがあっても経営のセンスがあるとは限りません。

経営の素人は、見通しが甘い傾向にあります。
黒字スタートを思い描く人が多いのですが赤字スタートを覚悟してください。
開業資金は想定よりかかることや、開業後最低でも半年は赤字が続いても経営していけるだけの経営資金が必要だと思ってください。
そして、赤字から黒字に持っていけなければ経営は破綻しますから、どうすれば赤字にならなくて済むのか考えなければなりません。

ただ、美容室経営は失敗するだけだからやめておけ、という話をしたいわけではありません。
失敗談が多いからこそその失敗談を活かし、可能な限り失敗を避けてください。