美容室経営だけなら資格は不要だが美容師としてスタッフを雇うなら必要

美容室経営には美容師の資格が不可欠です。
単なる経営者であれば資格が不要な場合もありますが、自分も美容師として美容室に立とうと思うなら美容師の資格は必須。
加えて、自分がオーナー兼スタッフという1人で切り盛りするタイプの美容室であれば美容師の資格だけあればいいのですが、スタッフを雇うとなると雇う予定のスタッフがたった1人であろうとも他の資格も必要になります。

 

 

 

美容室経営者本人に資格は不要だが美容師を雇う必要がある

美容室経営に興味がある場合、美容師の資格を取得するところから始めなければならないのかというと、それは違います。
美容室の経営をしたいだけであれば資格は不要です。
ですが、資格を持っている人こと美容師を雇う必要があります。
そういう意味では「美容室経営には美容師の資格が必須」となります。

当然、美容師の資格なしに、お客様の髪を切ったりカラーやパーマといった施術をしたりすることはできません。
ちなみに、お客様にお化粧するのも美容師の資格があればこそです。
コスメカウンターの店員こと美容部員はあくまでも商品購入や検討の際のサービスとしてお客様にメイクをしています。
商品に付随するサービスなんですね。
対して、美容師は有料でメイクを承ることができます。
メイクアップに関する国家資格は存在していませんから、美容室を経営していく上でヘアメイクに力を入れたい場合も美容師の資格があればOKです。

雇われの美容師が独立して美容室経営者になりたい場合はすでに美容師の資格を有していますから、美容師の資格という点に関してはクリアしています。
ただし、自分以外の美容師もスタッフとして雇うとなると、美容師以外の資格も必要です。

 

 

 

美容室経営には「管理美容師」の資格が必要になることもある

美容室経営者になりたいだけであれば経営者本人に何かしらの資格は不要。
とはいえ、経営する美容室に雇い入れるスタッフは美容師の資格が必須です。
雇われ美容師から独立するという流れが多いので美容師資格を有している人が美容室経営者になることが多いわけですが、経営する美容室の規模によっては美容師以外の資格も必要になります。

美容師以外に必要な資格とは『管理美容師』です。

オーナー兼スタッフというような自分しか美容師がいないスタイルの美容室でしたら、管理美容師の資格はいりません。
しかし、何人もの美容師を雇う予定があるなら、いえ、例えたった1人であろうとも美容師を雇う予定があるなら、管理美容師の資格を取得しなければなりません。

いずれ複数店舗を経営したいと考えているなら自分以外の美容師も雇うことになりますから、その場合に管理美容師の資格を持っていなかったら取得するまでは2店舗目の経営に着手できないということでもあります。

管理美容師資格の取得には、
・実務経験(美容師免許取得後3年間)
・講習会を受講
このふたつが必要です。

ですから、「美容師になりました!独立して美容師をたくさん雇うオーナーになります!」というルートは存在しません。
美容師の資格を取得して最低3年は美容師として働いて、年に数回開催される講習会を受講して、管理美容師の資格を取得して、そこで初めて「複数の美容師を雇う側になる」という選択肢が出現します。

ただ、最低3年と考えると、美容師は美容師でもスタイリストではなくアシスタントの人もいるはずです。
見習い期間であるアシスタントからスタイリストになっていないのに管理美容師の資格を取得して美容室経営者を目指す人はそうはいないのではないでしょうか。

 

 

 

美容室の経営に税理士の資格は不要だが知識はある程度必要

美容室の経営に必要なのは、最低でも美容師の資格。
美容師のスタッフを雇う予定がある、もしくは、経営する美容室を増やしたいと考えているなら、管理美容師の資格も必要。
つまり、美容室経営に必要な資格は美容師と管理美容師となり、税理士などの資格は必要ではありません。
ありませんが、ある程度の知識は必要です。

美容室を経営するためには届け出を出さなければなりません。
美容室のみならず、開業時には開業届という物を税務署に提出します。
こちらは開業日から1か月以内に出さなければいけない物です。
そして、開業届と同時に、青空申告用の書類も出すことが多いです。
それと、開業届は税務署とは別に保健所にも出さなければなりません。

税理士を雇えば面倒な書類に関しては一任できます。
少しでも経費を節約したいのであれば、自分で何とかすることになります。

開業届と青空申告用の書類で終わりではなく、確定申告についても税理士を雇わないなら自分でやるしかありません。

雇われ美容師から独立して美容室経営者になる時、美容師としては経験豊富でも経営者としては素人です。
ですから、経営にしても税金関係のことにしても、自分だけでは心もとないと思ったらそういう知識のある人や資格のある人を頼ることも時には必要です。

 

 

 

まとめ

美容室経営に必要な資格は美容師と管理美容師だが時として知識が必要

美容室の経営に最低限必要な資格は、美容師の資格です。
手を出すのは経営に関することだけで美容師として美容室に立ちたいわけではないのであれば、美容師の資格は不要ではあります。
が、美容師の資格を取得して雇われの美容師を経験してから独立して美容室経営者になる人が多く、それを踏まえると最低限必要なのは美容師の資格だと言っていいでしょう。

もっとも、自分も美容師として美容室に立ちつつ自分以外の美容師も雇いたいとなったら、管理美容師という資格が必要になります。

規模の小さな美容室に多いオーナー兼スタッフというスタイルを取るのであれば自分以外に美容師を雇うことはないので管理美容師の資格はいりません。
しかしながら、いずれは2号店を出したいという風に店舗を増やすことを考えているのであれば管理美容師の資格は必須です。
美容室経営に美容師として携わる場合、早い段階で管理美容師の資格を取得しておいたほうがスムーズに物事が運べます。

あとは、美容師として経験を積んでいても美容室経営者になったばかりの段階では経営者としては素人です。
経営に関する知識や税に関する知識などが必要ですから、そういった知識不足を自分で克服できないなら税理士などその道のプロを頼りましょう。