美容室独立準備。
独立するためにはどんな準備があるのか?
大きなことから細かいことまでさまざまです。
ましてや、どこかの美容室に勤務しながら準備するとなると、なかなか思うようには準備が進まないことも想定されます。
少しでも効率良く美容室独立準備できるように、やらなければならないことをリスト化しましょう。
美容室独立準備においてすぐにでも取り掛かれるのは自己資金を用意すること
美容室独立準備は短期間で終わるような物事ではありません。
が、すぐにでも始められることもあります。
それは、資金準備です。
厳密には、自己資金準備です。
言い換えれば、貯金。
すぐにでも美容室勤務をしながらでも始められます。
ただ、独立すなわち美容室開業時に必要となるお金は800から1,000万円ほどだと言われていますから、すぐにでも始められるけれどゴールは遠いです。
ですが、始めないことにはゴールはもっと遠のきます。
開業資金を100パーセント自己資金で賄うのではない方法、融資を受けるという手もあります。
ありますが、開業資金すべてを融資してもらえるわけではなく多くても開業資金の半分くらいですし、融資を受けるためにはしっかりとした「事業計画書」が必要です。
事業計画書は自分で作成できる物である反面、個人が作成した物では融資を断られることもあり、コンサル会社に依頼してして作ってもらった事業計画書を提出してようやく融資を受けられたという人もいます。
銀行から融資を受ける場合は担保が必要となることがほとんどで、担保になるような土地を持っているケースでもない限り、融資を受けることは簡単なことではありません。
融資は「もらえるお金」などではなく「貸してもらうお金」ですから、時間と労力を費やしてでも融資を受けたいのか、自己資金で何とかしたほうがいいのか、よくよく考えて決めてください。
美容室独立準備の中でも大きいのが店というハコに関わる準備
開業資金の目途がついたら、次はもっと具体的な独立準備に入ります。
美容室というハコを用意するイメージです。
出店地域はどこにするのか?
出店地域が決まらないと物件が探せません。
美容室は競合がとてもとても多いので、なるべく競合が少ないところをと思うと駅から遠かったり、自分の希望する地域は家賃が高かったりと、色々なハードルがあります。
なお、都心のほうがお客様を確保しやすいのかというと、コロナ禍においてはそうとも言い切れません。
新型コロナウイルスの影響で公共交通機関を乗り継いで都心の美容室まで行くよりも地元の美容室を利用するという人が増えているからです。
リモートワークやオンライン授業もまだまだ続く見通しですから、都心であることは絶対条件ではなくなっているのではないでしょうか。
出店地域が決まったら物件探しです。
これもまた、すんなり決まることもある一方でなかなか決まらないこともよくあります。
ネットで探したりオンライン内覧したりといった手段があるものの、自分の足で探して目で見たほうが気に入る物件に出会えるかもしれません。
物件探しにしても、気に入った物件を契約するにしても、美容師として勤務しながらだとまとまった休みを取ることが難しいというハードルがあります。
物件を契約したら、いよいよ内装・外装工事に取り掛かります。
テナント形式など外装工事は必要ないこともありますが、内装工事はほぼほぼ絶対に必要です。
内装にこだわり過ぎると費用が跳ね上がるのと、内装工事は遅れることもあること、内装工事が終了した翌日から営業開始できるわけではないことに注意してください。
内装工事と同時進行というよりは内装工事が終わってからになりますが、セット台やシャンプー台といった機材を選んで用意して搬入。
機材以外にも、エアコンを設置したり、シャンプーや薬剤などの消耗品を購入してそれを保管する場所を作ったり、選ばなければならない物・購入しなければならない物が山のようにあります。
水道や電気やインターネットやウォーターサーバーなど契約に関することも多く、水道や電気に関してはもともとある設備を利用するわけではないなら工事が必要です。
美容室独立準備の中には検査や届け出も含まれている
美容室準備の中でも大きいのは内装に関すること。
内装ももちろん重要ですが、内装工事が終わったら終わったでとても重要な準備が控えています。
まず、保健所の立会検査。
訪問検査とも言います。
保健所の人が開業前の店に来て基準をクリアしているかどうかチェックするわけです。
この場合の基準とは、待合スペースと作業スペースがきちんと分かれているか、作業椅子(セット台の椅子やシャンプー台の椅子の意)が作業スペースの面積に応じた台数かといった構造・設備の基準です。
ただ、地域によって細かい基準が異なるので、内装工事に取り掛かる前に出店地域の保健所に基準を確認したほうがいいでしょう。
検査は保健所だけの話ではなく、消防署による消防検査もあります。
簡単に言うと、火災報知器の有無などの検査です。
こちらも基準があるため、内装工事に取り掛かる前に出店地域の消防署に相談の上で検査をクリアできるような内装にしなければなりません。
保健所にしても消防署にしても立会検査があるのみならず、出さなければならない届け出があります。
知らなかったでは済まされないので要注意です。
届け出は他にも開業届という税務署に出さなければならない物があります。
内装工事が完了したところで、届け出が出ていなかったりそういった検査をクリアできなかったりしたら、オープンできません。
クリアできないと工事をやり直さなければなりませんし、最悪、オープン延期という事態にも発展します。
まとめ
美容室独立準備はやることがとにかく多いのでリスト化して明確にする
美容室独立準備はやることがとにかく多いです。
個人でやったことがあるようなこと、例えば、物件を探して契約するといったことであればまだスムーズにできそうですが、保健所や消防署や税務署への届け出を個人でやることはないと思われます。
経験したことがないようなこともやらなければならないわけです。
しかも、細かい準備を挙げていったらキリがないほどにやることがあります。
例えば内装はセット台はこれ、シャンプー台はこれ、壁紙はこれ、床材はこれと決めていきますよね?
このあたりはまだ想像しやすいのではないでしょうか。
自分の理想通りの内装にできる反面、電気のスイッチひとつとっても自分で決めなければなりませんから、時間がかかります。
理想と現実=予算とのギャップもあります。
頭の中だけで整理しようとすると必ずやこんがらがるので、必ずリスト化してください。
やらなければならないことのリスト化です。
全部をひとつのリストにすると長大になるので、「届け出」や「内装」など大きなリストを作ってから細かいリストにしていくことをおすすめします。
あとは、知識の準備です。
美容師は美容師という資格を取得していても、経営者として何らかの教育を受けてはいません。
開業に関する知識や経営に関する知識を身につけることも美容室独立準備期間中にやっておくべきことです。
やることが多い上に容易ではないことも多い美容室独立準備ですが、自分の城に等しい美容室を1から作れるわけですから、それを思えば乗り越えられないことはないはずです。