美容室の独立は失敗することももちろんあります。
成功すれば独立前よりもお金を得られる一方で、失敗すれば開業のために費やしたお金を回収することもままならないで閉店することもありえます。
美容室の独立はどうして失敗してしまうこともあるのか?
どうすれば失敗しないで済むのか?
美容室独立における失敗してしまう理由と失敗しないためのポイントを解説します。
美容室独立時に以前のお客様が来てくれることをあてにすると失敗する
美容室独立におけるありがちな失敗は、独立前に自分についていたお客様が独立後も来てくださるという思い込みです。
お客様の指名が多く、新規のお客様もリピーターも多いトップスタイリストだったとしたら、独立しても成功しそうですよね。
しかし、トップスタイリストだったら成功するとは言い切れません。
「そのお店の中では選ばれていただけ」に過ぎない可能性があるからです。
どうせなら、有名な美容師がいる有名な美容室に通いたい。
どうせなら、トップスタイリストに担当してもらいたい。
そういうお客様が一定数いらっしゃる反面、「べつに誰でもいい」というお客様もいらっしゃいます。
人で選ぶのではなく場所で選んでいるケースもままあります。
お客様にとって通いやすいのは独立前の美容室で独立後の美容室はさほど通いやすくない立地だったとしたら、独立後に来てもらえなくなる可能性は高いです。
自分という個人にお客様がついているようで、実は、店についているお客様が選んでくれていただけだったということ。
その場合、選ばれているのは美容師個人ではなく美容室(の立地や通いやすさ)ですから、独立後は選んでもらえなくなってしまうわけです。
美容室を独立して違う美容室を開業するとなったら技術力はあるに越したことはないものの、技術力があるからと選んでもらえるとは限らず、ゆえに、トップスタイリストだったら成功するとは断言できるはずもないのです。
美容室独立を失敗しないためにはお金とそれに関する知識が必要
美容室独立を失敗しないためにはお金も必要ですし、お金に関する知識も必要です。
まず、開業資金がないことには独立できないですよね。
資金は必要です。
が、融資という手もあります。
もっとも、融資は「貰えるお金」ではなく「返さなければならないお金」ですから、融資してもらえば万事解決かというとそうではありません。
それと、絶対に融資してもらえるとも限りません。
そもそも、開業資金はどれくらいあればいいのか?
おおよそ、1,000万円。
800万円ほどで済んだという話も聞きます。
自己資金800万円を用意して200万円融資してもらうというような資金繰りでもいいでしょう。
ただし、繰り返しますが融資イコール借金、いずれ返さなければならないお金です。
ただでさえ、美容室経営は毎月出ていくお金=固定費がとても多く、その上に返済までするとなったら支出がさらに増えます。
融資頼みにならないように手持ち資金をしっかり用意する。
場合によっては融資も検討し、その場合は月々の返済額が大きくならないようにする。
あとは、運転資金を残しておく。
運転資金とはようするに経営資金です。
最低でも3か月、できれば半年、赤字になったとしても大丈夫なくらいの資金が必要となります。
それを知らずに開業資金を使い切らないようにしてください。
開業資金は開業資金、経営資金は経営資金として分けておくのも良いでしょう。
融資にしても開業資金にしても、額が大きくなり過ぎないほうがいいです。
美容室独立に関する失敗の中には「開業準備で内装にこだわり過ぎて開業費用がかさんでしまった」といったものもあるので、注意してください。
美容室独立失敗の大きな要因となるのは宣伝不足
美容室の独立が失敗してしまうのは宣伝不足が原因となっていることが多いです。
美容室独立は集客できなければ失敗してしまいます。
集客のためには宣伝が欠かせません。
宣伝が不足したら?
集客できない!
ゆえに、宣伝不足は致命傷です。
宣伝は開業してからする物ではありません。
開業する前からする前です。
開業前の宣伝が不足しているとスタートダッシュ的な集客が狙えず、焦って宣伝することになりかねません。
そして、焦って宣伝したところで、集客が上手くいくとは限りません。
集客のためには宣伝が欠かせず、宣伝にはお金がかかり、お金をかけて宣伝してもその宣伝で100パーセントの来客が見込めるかといったら、そうではない。
宣伝はとても大切で、かつ、とても難しいです。
ですが、難しいからと投げ出すわけにはいきません。
独立前から、お客様に配る名刺やチラシを用意し、可能ならポスティングも行い、名刺なりチラシなりに割引やトリートメントのサービスといった特典をつける。
独立後も、ポスティングを継続する。
独立後は、SNSを使った宣伝も取り入れたいところです。
まとめ
美容室独立を失敗しないためには資金と宣伝が不足しないようにする
美容室独立を考えるほどの腕の持ち主だったとしても、それは美容師としてであって、経営者としてではありません。
美容師は単なる美容師で経営のプロではなく、それゆえに経営に関する知識が不足しがちです。
経営に関する知識が不足しているまま経営者になる、つまり、もともと失敗しやすい土台があるんですね、残念ながら。
失敗しないためには?
なるべく自前の開業資金を用意する。
開業費用がふくれ上がらないようにする。
開業資金の中に運転資金を残しておくか、別に用意しておく。
独立前のお客様がそっくりそのまま来るなどと思わずに、開業前から宣伝を怠らない。
宣伝の少なさが客足の少なさに繋がるので独立後も宣伝は継続する。
これくらい簡単でしょうか。
簡単だったとしても、これさえやっておけば絶対に失敗しないとは言えないのが経営の難しさ甘くなさです。
ですから、最低でも3か月、できれば半年分の経営資金を用意しておいて、少しの赤字で即閉店などということにならないようにしましょう。