美容室を経営していく費用は固定費が多くて削りにくいという特徴がある

美容室の経営費用について考えたことはありますか?
これから開業するのであれば、まず開業費用について考えることになります。
すでに開業しているのであれば、経営費用が適切なのかどうか考えてみてください。
美容室を経営していく上でお金のことを考えないわけにはいきませんから、この機に改めてしっかりと考えてみてください。

 

 

 

美容室経営でまず必要となるのは開業費用

美容師になったからには独立して自分の店舗を持ちたいと考える人は多いです。
美容室を経営するためにまず必要になる費用と言えば、開業費用。

開業費用はそれなりにかかります。
それなりというか、かなりかかります。

【物件に関する費用】
・土地代や建設費用
・敷金、礼金、仲介手数料
・火災保険料など保険料

【外装・内装】
・外装工事費
・内装工事費

【機材に関する費用】
・セット台
・シャンプー台
・スチーマーなど施術に必要な機材
・ドライヤーやブラシやタオルといった小物
・シャンプー類、カラーやパーマ等の薬剤

【備品】
・レジ
・顧客管理用のパソコン
・お客様の待機場所用の家具(椅子や本棚)
・音響機器
・無線LANなどネット環境のための機材
・固定電話、冷蔵庫、洗濯機といった家電

【宣伝費に関する費用】
・名刺
・DM
・ポスティングチラシ印刷費
・スタンプカード印刷費

【契約費用】
・固定電話の契約
・インターネットの契約
・税理士との契約
・有線放送契約

美容室開業にかかる費用は、ざっと挙げただけでもこんなにあります。
土地から購入する人は少数だとは思いますが、土地や建物を除外して考えたとしても、800万から1,000万円はかかります。

本当にそんなにかかるの?と思うほどの金額ですが、かかります。
内装にお金をかけ過ぎずに中古で購入できる物は中古購入するといった工夫で初期費用を抑えることは可能ではあるものの、1,000万かかることを覚悟していたら500万で済んだというような極端な費用削減は無理です。

そして、何より重要なのは、今上げた費用はすべて『開業“だけ”』に必要な費用だという点。
この中に、運転費用は入っていません。
開業費=開業だけに必要な費用と思いがちですが、実際には運転費も含むか、運転費を別で用意しておくことがほとんどです。

最初から黒字になるとは限らず、それでいて最初から固定費が発生するため、開業した途端に経営が頓挫しないように3か月から半年ほどの運転費用が必要となります。

 

 

 

美容室経営で次に必要となるのは運転していくための費用

美容室経営でまず必要になるのは開業費用。
その次は、運転していくための費用。
開業費用の中に運転費用を含んでいるか、運転費用は運転費用で別に用意していたとしても、その運転費用がずっと湧いて出てくるわけではありませんよね。
これから先、美容院という車を運転していくためには、すなわち、経営していくためには、どうしたって運転費用が必要です。

では、運転費用とはどういう費用なのか?
簡単に言うと、毎月必ず必要となる費用です。
固定費や支出とも言います。

・家賃
・光熱費
・人件費
・宣伝費
・通信費
・有線など設備費
・消耗品などの購入費

これまた、ざっと挙げただけでこんなにあります。
これらの支出は収入と相殺できればなんとかなる反面、なんとかならなかったら赤字です。

仮に、支出と収入が同じくらいだったとしたら、美容室としては赤字にはなりません。
しかし、この固定費の中に経営者の生活費は入っていないのですから、それを込みで考えたら赤字です。

 

 

 

美容室を経営するとなると固定費用以外にも出ていくお金がある

美容室を経営すると、毎月毎月必ず出ていくお金こと固定費が発生します。
固定費を払っても生活するだけのお金が残るのが理想です。
ただし、「残ったお金すべてを生活費にしていい」という考えは危険です。

機材や備品が壊れて新たに買い直さなければならなくなったら?
家賃や光熱費や通信費や設備費が値上がったら?
税金だって払わなければなりません。
所得税や消費税以外にも個人事業税や個人住民税といった税金を払う必要があります。

美容室経営が黒字になると、手もとに大金があるように錯覚してしまいがちです。
ですが、その大金はすべてが生活費というわけではなく、大半は美容室経営資金として残しておかなければならないお金です。

それと、あえて運転費用としては挙げなかったのですが、開業のために借入をした場合はその返済金も毎月発生します。
借入することで開業費用のすべてを自己資金でまかなわなくても済む反面、毎月出ていくお金が増えます。

 

 

 

まとめ

美容室経営は固定費が削れないぶんどうしても最低限必要な金額が高くなる

何の資格も持っていない人にくらべ、「手に職」を持っている美容師は働き口に困りません。
しかし、美容室を経営することは美容師として就職するよりも困難です。
光熱費や薬剤購入費用などどうしても削れない固定費があるぶん、美容室経営は運転費用が高くなります。

土地や建物が無料で入手できて家賃のような大きな固定費が削れたとしても、固定資産税など別の支出が発生します。
完全個人経営ではなくどこかに加盟したら加盟したで加盟費用が発生します。

そうやって考えていくと、美容室経営はリスキーなように思えますね。
けれど、美容室経営に限らず、経営というものにはリスクが伴います。

美容室経営は誰でも簡単にできるわけではありません。
それでも、経営というものが簡単な物事ではないとの覚悟があるなら大丈夫です。