美容室に勤務するスタイリストの平均的な売上とその達成か容易かどうか

美容室におけるスタイリストの売上は美容師誰もが気になるところです。
見習い期間であるアシスタントはカットを担当できない、ゆえに、指名料を得られないなどの理由から、どうしても売上が低くなります。
対して、スタイリストになれば指名料も得られるようになり、売上は上がりやすくなります。
……本当に?

美容室におけるスタイリストの平均売上はどれくらいなのか?
平均的な売上に楽々達することができるのか?
平均的な売上に達することができなかったらどうすればいいのか?
美容室のスタイリストの売上についての解説です。

 

 

 

美容室に勤務するスタイリストの平均売上は50万前後と言われる

美容室に勤務するスタイリストの1か月あたりの売上の平均はどれくらいなのかというと、客単価にも左右されますが、数十万にのぼります。
それがそのまま給与になるわけではなく、あくまでも売上ですから、当然、給与よりも高い金額になります。

50万円前後がスタイリストの1か月あたりの売上の平均売上だというデータがあります。
ただ、コロナ禍の今は客数も客単価も下がっていると言われていますから、もっと低い数字になっている可能性が高いです。

客単価の平均が5~6千円。
客数の平均が1日あたり4人だったとしたら、1日あたりの売上は20,000~24,000円。
1か月は約30日ですがまったく休みなく働いていることはないはずなので、週1回は休んでいると仮定して、24日。
20,000円×24日=480,000円。
24,000円×24日=57,6000円。

客単価が平均よりも低ければもっと低くなりますし、客単価が平均より低くても客数が平均よりも高ければ、また数字は変わります。
が、こうやって数字で見てみると、美容室に勤務するスタイリストの1か月あたりの売上平均が50万前後というのは信憑性のある数字ではないでしょうか。

 

 

 

美容室勤務スタイリストが平均的な売上を楽々達成できるとは限らない

美容室勤務スタイリストの1か月あたりの売上平均は50万円前後。
平均なのだからこの数字を楽々達成できるのかといったら、現実はそう甘くありません。

コロナ禍の今、客単価は下がっています。
一番安いカットだけにしておこうというお客様が増えているのです。
カットのみとなると、客単価は平均的なそれよりも下がるという美容室も多いはず。
そして、外出を避ける人が増えるにつれて反比例で客数は減っていますから、客数の平均も下がっています。
となれば、美容室勤務スタイリストの1か月あたりの売上平均は50万円前後と言われていても、とてもじゃないがその数字は達成できないということもありえるわけです。

もっとも、新型コロナウイルスのせいで売上が落ちているのではなく、美容室の経営戦略的な問題で売上が落ちているというケースもあります。

新型コロナウイルスの影響があるとはいえ、手をこまねいているだけでは売上は落ちるばかりです。
今やあたりまえになっている感染症対策を徹底し、ホームページやブログにその旨を記載して、感染症対策をきちんとしている美容室なのだとお客様にわかってもらえるようにする。
おうち時間が増えているからこそホームケアを提案して店販に繋げる。
カット希望のお客様にトリートメントを提案する。
考えうる戦略はまだあります。
何もしなければゼロのままです。
何かをしないことには、売上が上がるはずもありません。

それに、美容室の問題ではなくスタイリスト個人の問題で売上が落ちている可能性もあります。

美容室は星の数ほどあるという例えは大袈裟かもしれなくとも、コンビニの数より多いのは確かです。
他に替えがいくらでもある状況で、嫌だなと思う接客をされたら……?
新規のお客様だったとしてもリピーターだったとしても、リピートしてもらえなくなります。
技術力が足りないなら技術を磨かなければなりませんし、どうすればリピートしてもらえるのか、どうしたらカット以外のメニューの提案を肯定してもらえるのかを考える必要があります。

 

 

 

美容室勤務スタイリストが売上を上げる方法はあるのか?

美容室に勤務しているスタイリストが平均的な売上に達していなくて売上を上げたい場合、どうしたらいいのでしょうか?
売上を上げる方法はあるのでしょうか?

売上を増やすためにはお客様を増やさなければならない、といったイメージがあるかもしれません。
それも間違いではないです。
単純にお客様が少ないのであれば増やさないことには売上だって増えません。

しかし、お客様が増えれば増えるほど良いのかといったら、そうではないです。
キャパオーバーになりかねません。
極端な数字ですが、1日で1人で10人のお客様を担当するのは休憩しなかったとしても無理があります。

では、何を増やせばいいのか?
それは、客単価とリピート数です。

来店してくださったお客様の客単価が上がるようにする。
具体的には、カットのみ希望のお客様であれば、トリートメントやカラーやパーマなど他の施術を提案する。
「おうち時間が長くなっているのでホームケアがおすすめですよ」、「カラー(パーマ)をするならホームケアをするのがおすすめですよ」など、店販に結びつくようにする。

1回ではなく2回、2回ではなく3回と、リピートしてもらえるようにする。
具体的には、次も来ていただけるように来店のお礼メールを出す。
SNSのアカウントやブログURLが書いてある名刺なりチラシなりを渡す。
勤務先である美容室の方針にもよりますがクーポンやスタンプカードなどがあるとより良いです。

こうすれば絶対に売上が上がるという策はなく、トライアンドエラーを繰り返すことにはなるかもしれませんが、やらなければ売上が上がることはありません。

 

 

 

まとめ

美容室に勤務するスタイリストの平均的な売上はひとつの目安

美容室に勤務しているスタイリストと一言で言っても、スタイリストになったばかりの人もいればベテランスタイリストもいますし、トップスタイリストと呼ばれるその美容室内でトップクラスのスタイリストもいます。
勤続年数やスタイリスト歴にもよるわけですが、それでもスタイリストの平均的な売上はひとつの目安となります。

すなわち、平均的な売上に達していないのであれば、なぜ達することができないのかを考える良い機会となるのではないでしょうか。

平均的な売上に達することができない理由があるはずです。
その理由と向き合って、乗り越えることができれば、売上は上がります。